調査計画書

on site Solution, Keystone Magic  皆様がかかえておられる難問を、あっさり解決いたします

1.調査目的

橋梁点検の専門技術者がロープアクセス技術を駆使した近接目視による点検を実施し、橋梁の現況と損傷箇所、程度を正確かつ詳細に把握すること。

2.作業体制

橋梁点検実績豊富な専門技術者チームが担当します。
チーム編成は、通常ひとチーム3名で、うちクライミング調査員が2名、遠景マン(支援要員)が1名で、橋梁形式や点検内容に合わせて、臨機応変・適材適所の人員配置を工夫します。
チームを統括するのは隊長(チームリーダー)で、クライミング調査員、もしくは遠景マンを兼務し、作業すべてを指揮します。
クライミング調査員は、橋梁点検に関する十分な経験を有し、各自、個別に調査作業をすすめます。
遠景マンは遠景写真を撮るだけでなく、作業が円滑に進むように目を配る重要な役目を担います。

3.作業手順

現地への乗り込み

前日乗り込み、下見。もしくは当日早朝に京都発。
移動手段は、車両(ひとチーム1台)、もしくは公共交通機関(20~30kg/人)

下見

30分程度。遠望目視により橋梁の全体像を把握します。必要に応じて点検作業用のスケッチを作成します。
隊長(チームリーダー)は点検のポイントを見極め、作業が効果的かつ効率的に進むように作戦をたてます。

打ち合わせ

30分程度。点検の目的を再確認し、全員の意思統一をはかります。
まずは安全確保で、作業範囲の上・下方への部外者の侵入防止、通行規制などを確認します。
点検作業については、作業分担、手順等を確認します。
最後に無線機の作動チェックを各自でおこないます。

作業開始

遠景マン(支援要員)は、橋梁全体を見渡せる場所に遠景撮影機材を持ち込み、陣取ります。
カメラは通常、超望遠(800mm程度)、望遠(400mm程度)、標準、の3セットを配置します。
クライミング調査員はロープアクセス装備と点検器材を装着(20分程度)したうえで、所定の長さのロープを携行し、各自の担当する点検個所に移動します。

支点設置

下降位置に到着次第、支点となる高欄・車両防護柵等に、仮荷重テストの上、ロープを結束します。
つぎにロープに下降器をセットし、仮荷重テストで装備や支点が安全にセットされていることを最終確認します。

下降開始

ロープに体重を預け、後ろ向きに、慎重に下降開始します。この際、地覆にロープが直接こすれないよう、ロープガードを使ってロープを保護します。また、ディビエーションを設ける等、ロープ技術を駆使し安全には万全を期します。

図3-1 橋面から桁下へのアプローチ例


図3-2 支点設置の様子

点検作業

下部工点検

橋台・橋脚の橋座に取り付き、セルフビレイ(自己確保)を行いながら橋座面、支承、桁端部の点検を行います。セルフビレイが取れない場合はボルトトラバースを行い任意の箇所に近接します。また、橋座に支点が設けられない場合には、アンカーを設置することもあります
ゆっくりと下降しつつ、調査測線を中心に、両側の状況に注意を払います。クラック等の変状箇所を確認次第、下降を停止し、チョークでマーキングを行った上、サイズ、形状等を観察・記載・撮影し、打音検査を行い、位置を展開図や、全景写真に記録します。
位置の特定には遠景マンとの連携も有効で、この際、遠景マンが、変状箇所とクライミング調査員を写し込んだ遠景写真も撮影します。
作業が終わり次第、停止を解除し、下降を再開し、調査を繰り返します。
クライミング調査員自身が振り子状に左右に移動し、より広い範囲をカバーすることも可能です。

図3-3 橋脚天端から柱部へのアプローチ例


図3-4 橋脚の点検例


図3-5 橋脚躯体への近接作業手順

 
図3-6 橋脚点検の様子

上部工点検

ボルトトラバースによる移動を行い、任意の箇所へ近接します。RC桁やPC桁のように支点が取れない桁に関しては、桁にアンカーを設けた上でボルトトラバースを行います。
任意の点検箇所に近接した後は、調査員の両手はフリーとなるため、橋梁点検車等を利用する場合と同等の、両手を使った調査が可能です。
重大損傷を発見した際には速やかに隊長に報告し、現場監督員に報告します。

  図3-7 上部工の点検例 PDFダウンロード



図3-8 上部工点検の様子

作業終了

ロープに登高システムをセットし、登り返して橋面に復帰します。このとき、設置したアンカーは確実に撤去し、コンクリートボンドによる復旧を施します。 

 
図3-9 現場作業手順 (橋梁点検)

 

4.成果品

点検結果は種別(定期点検、緊急点検、第三者被害etc)に応じてとりまとめ、必要な場合には「橋梁定期点検要領(案)」(国土交通省)に則った損傷評価を行います。
また、損傷図に点検結果をわかりやすく網羅・図示します。

5.安全管理

危険なイメージのロープアクセス作業ですが、基本的な安全管理さえ怠らなければ、まったく危険のない作業で、実際これまで事故は起きていません。 
安全な作業である最大の要因は、クライマーの体が常に、テンションのかかった(ピンと張った)ロープで確保されている点にあり、基本的な手順を怠るか、ロープが切れない限り墜落が起こらない仕組みになっています。

安全管理上のポイントは、次にまとめてみます。

作業スタッフの人選

安全上の資質や意識の高い者のみを選定しています。もちろん日々の安全教育も徹底し、安全意識の更なる向上をはかっています。

作業体制

クライマーは、全員有資格者で、ロープアクセス調査技士の資格を有します。 
ひとチームは2名以上で、万が一のレスキュー体制も前提に編成します。 
指揮系統は隊長(チームリーダー)に集約し、チームとしての安全判断を下します。さらにチーム員ごとの独自の安全判断も同等に尊重します。

技術・器材

ロープアクセス技術や器材は、所定の定められたものに限定します。 
ちなみに一般的なロッククライミング(厳密にはアルパインクライミング)技術・器材の大半は、安全上、使用禁止です。

装備の管理

個人装備は各個人が責任を持って管理し、落下させるなどして損傷の疑いの生じた装備は即、廃棄します。 
ロープなどの共同装備は鍵のかかった管理場所に保管し、日常的な点検を怠らず、損傷や劣化があれば廃棄します。

天候・夜間

採用しているロープアクセス技術はいわば夜間・全天候型で、嵐や吹雪など、どんな悪天候や気象条件の急変、夜間においても安全に作業できます。

墜落事故および落下物事故の防止:原因と対策を表5-1にまとめます。

  原因 対策
墜落 ロープ結束ミス
  • 結び目確認
  • 結束作業中に話しかけない
  • 結束後の指差し確認
下降支点の脱落
  • 下降支点は必ず2箇所以上に作る
下降器やハーネスの誤装着
  • 装着作業中に話しかけない
  • 装着後の指差し確認
セルフビレイ(自己確保)のとり忘れ
  • 仮荷重テスト時でのセルフビレイの徹底
ロープの切断
  • ロープの傷みを日常的に点検する
  • 地覆等への接触を避ける
  • 接触する場合はロープガードで保護する。
  • ロープにかかる荷重の分散、移し変えを逐次おこなう。
落下物 上方に侵入した第三者(調査チーム員以外)による落下物。
下方に侵入した第三者への落下物被害。
  • 第三者の作業範囲および上方・下方への侵入禁止 の事前確認の徹底
  • 侵入者を発見次第、警告し、作業は中断し危険回避動作をとる
  • 遠景マン(支援要員)による侵入者の断固阻止
通行人、通行車両への落下物被害
  • 通行規制、ガードマン配置、安全ネット設置
所持品の落下による被害
  • 所持品は原則としてすべて、ヒモなど体につなぐ

表5-1 橋梁点検において起こりうる事故の種類、原因、対策

6. 主な装備


標準装備のクライマー

共同装備

セミスタティックロープ(長さ30~200m、径8~11mm、静止耐荷重は2t強)
ロープバッグ
支点設置用ハンマードリル等

個人装備

ヘルメット
ハーネス
下降器(ディセンダー、STOP)
登高器(チェストアッセンダー、ハンドアッセンダー)
アブミ
スリング
カラビナ
ロープガード
無線機等

調査用具

カメラ(一眼レフデジタルカメラ等、予備機も携行)
筆記具
図面携帯用バインダー 
クラックスケール
巻尺
FRP製伸縮赤白ポール(写真撮影用)
チョーク等 

ナビゲーション

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